「PR案件は、フォロワーが1万人を超えてから」
そう思って投稿を続けている人は多いと思います。実際、そう書かれている記事も少なくありません。
ですが、これは現在の実情とはズレています。フォロワー1,000人台でPR案件を継続的に受けている人は、確実に存在します。
この記事では、なぜそれが可能なのか、そして案件を受け取るために何を準備すればいいのかを整理します。
企業がフォロワーの少ない人に依頼する理由
まず前提として、企業は「フォロワー数」そのものにお金を払っているわけではありません。商品が売れることにお金を払っています。
この違いが、マイクロインフルエンサーの価値を生んでいます。
理由1:エンゲージメント率が高い
フォロワー数が増えるほど、投稿に対する反応の割合は下がる傾向があります。
フォロワー10万人のアカウントでいいねが2,000件なら、反応率は2%です。一方でフォロワー1,500人のアカウントに150件のいいねがつけば、10%です。
企業が見ているのは「何人に届いたか」だけではありません。届いた人のうち何人が反応したかを見ています。ここでは、フォロワーが少ないアカウントのほうが有利になることがあります。
理由2:フォロワーとの距離が近い
フォロワー数千人規模のアカウントでは、コメントに一件ずつ返信していることが珍しくありません。DMでのやり取りが発生することもあります。
この関係性があると、投稿された商品の情報が「広告」ではなく「知り合いのおすすめ」として受け取られます。
購買につながりやすいのは、圧倒的に後者です。
理由3:予算内で複数人に依頼できる
フォロワー10万人の1人に依頼する予算で、フォロワー2,000人の10人に依頼できるとします。
後者を選ぶ企業が増えています。理由は、同じ商品が複数のアカウントから紹介されることで信頼性が高まるためです。一人が言っていることより、複数人が言っていることのほうが検討されやすい、という単純な話です。
また、10人に依頼すれば、そのうち何人かは想定以上に伸びる可能性もあります。一人に集中させるより、リスクが分散されます。
依頼される人の共通点
同じフォロワー数でも、案件が来る人と来ない人がいます。違いは以下の点にあります。
ジャンルが絞られている
「日常のいろいろ」を投稿しているアカウントより、「敏感肌向けスキンケア」に絞っているアカウントのほうが、依頼は来ます。
企業は、自社商品のターゲットと重なるフォロワーを持つ人を探しています。ジャンルが絞られていれば、フォロワー層も推測しやすく、声をかけやすくなります。
フォロワー1,000人でも、その全員が「敏感肌に悩んでいる人」であれば、スキンケアブランドにとっては極めて価値の高いアカウントです。
投稿の頻度が安定している
月に1回しか投稿していないアカウントには、企業は依頼しづらいです。投稿されるかどうかが読めないためです。
毎日である必要はありません。週に2〜3回を継続していることのほうが、頻度そのものより重要です。
過去にPR投稿の実績がある、または依頼を受け付けていることが分かる
企業側から見て一番困るのは、「この人はPRを受け付けているのか分からない」という状態です。
プロフィール欄に「お仕事のご相談はDMまで」と一行あるかどうかで、声のかけられやすさは大きく変わります。
写真や動画の質が一定以上ある
高価な機材は必要ありません。ただし、企業は自社商品がどう見えるかを気にします。
明るい場所で撮る、背景を整理する、加工を統一する。この程度で十分です。過去の投稿を見て「この人に商品を渡したらこう写るのか」が想像できることが重要です。
案件を受け取るための準備
今日から着手できる順に並べます。
1. プロフィールを整える
以下の3点を入れてください。
- 何について発信しているか(例:敏感肌スキンケア/プチプラコスメ)
- どんな人に向けているか(例:20代・肌荒れに悩む人)
- 仕事の依頼を受け付けていること(例:PR・お仕事のご相談はDMへ)
企業の担当者は、プロフィールを数秒しか見ません。この3点が書かれていないだけで、候補から外れます。
2. 過去投稿を整理する
ジャンルと関係のない投稿が上位に並んでいると、何のアカウントか判断されません。
削除する必要はありませんが、これから投稿するものはジャンルを揃えてください。企業が見るのは直近の投稿です。
3. 数字を把握しておく
依頼を受けるとき、企業から聞かれることがあります。
- フォロワー数
- 平均リーチ数
- 平均いいね数・保存数
- フォロワーの年齢層と男女比
Instagramのインサイトで確認できます。聞かれてすぐ答えられるようにメモしておくと、話が早く進みます。
保存数は特に重要です。 保存が多い投稿は「後で見返したい」と思われている証拠で、購買に近い指標として企業が重視しています。
4. 案件を探せる場所に登録する
企業からのDMを待つだけでは、機会は限られます。
案件が掲載されているマッチングサービスに登録しておけば、自分から応募できます。フォロワー数の条件を設けていないサービスを選べば、1,000人台でも応募可能です。
気をつけるべきこと
PR表記は必須
2023年10月から、広告であることを隠した投稿は景品表示法の規制対象になっています。
「PR」「広告」「提供」などの表記を、投稿を見た人がすぐ分かる位置に入れてください。ハッシュタグの最後に紛れ込ませたり、「続きを読む」で隠れる場所に置いたりするのは不適切とされます。
化粧品の表現には制限がある
「シミが消える」「ニキビが治る」といった、医薬品のような効果を示す表現は薬機法で禁止されています。
自分の感想として書いた場合でも、規制の対象になり得ます。「使用後、肌の調子が良いと感じました」のように、あくまで個人の感想として書く形が安全です。
報酬と条件は事前に確認する
投稿本数、投稿形式、投稿時期、そして二次利用の有無を、依頼を受ける前に確認してください。
二次利用とは、投稿した写真や動画を企業が広告に使うことです。これが含まれる場合、通常より報酬が高くなるのが一般的です。後から「広告に使われていた」と気づくトラブルは実際に起きています。
まとめ
- フォロワー1,000人台でもPR案件は受けられる。企業が見ているのは人数ではなく反応率
- ジャンルを絞ること、投稿頻度を安定させることが最も効く
- プロフィールに「依頼を受け付けている」と書くだけで声はかかりやすくなる
- 保存数などの数字を把握しておくと、話が早く進む
- PR表記と薬機法への対応は必ず守る
フォロワーを増やしてから案件を探すのではなく、今の人数のまま受けられる案件を探すほうが、結果的に早く進みます。実績が1件できれば、次の依頼につながります。